ニュースを見てるとやっぱり気になるのが阪神V逸。
阪神と同じような軌跡を辿ったチームはメジャーにもある。
ニューヨーク・メッツ。
今季も最終戦で負けてポストシーズン進出を逃した。
去年も9月に入って垂れて、同じように最終戦で負け、ポストシーズン進出を逃している。つまりこれで2年連続。
最後、まったく伸び伸びやってなかった。
「負けたらどうしよう」
「やっぱり今年もダメかも」
そんな雰囲気は、現場に居なくても伝わってきていた。
スポーツニュースを見たり、新聞やネットメディアの記事を読んだりすれば、それで十分なほどだった。
――負けたときに失うものが多すぎる。
これこそがメッツと阪神に共通している状況だと断言して間違いない。
さて、少し将棋界の話。
2度目の7冠独占こそ遠のいたものの、羽生名人は20代の頃の勢いを取り戻したような強さを見せている。その彼の言葉で非常に心に残っているものがある。
「NIKKEI NET 将棋王国」サイトの一説だ。
羽生は「将棋は全人格が表れるものではなく、あくまでゲーム感覚の技術であり、強くなるために特に苦労は必要としない」と平然と語る。
無敵を誇るといっていい羽生名人がこういった感覚で将棋を指していることには衝撃を受けた。
所詮ゲームだからこそ情熱を傾けることができる。そう解釈するのは極端すぎるかか。ただ、「強くなりたい」というのは「勝ちたい」ということに他ならないのは言うまでもなく、羽生名人には「勝たなければならない」という感覚はないのではないかと思う。
身近なところで考えてみれば、ゴルフだって「勝ちたい」(それは自分自身にとか一緒に回る仲間にとか、いろんなケースがあるとはいえ)と思うから一生懸命やろうとするんでしょうが。将棋を指していても「勝たなきゃいけない」と思った途端、手が動かなくなる。そして、指したくなくなってしまう。ネット将棋やコンピュータ相手ならそれでも問題ないわけだし。
@「勝ちたい」
A「勝たなければならない」「負けられない」
目指すものは同じかもしれないが、この2つは心理状態において大きな違いがある。心理状態が違えば、目指すものは同じでもプロセスやアプローチが変わるから、結果の変化にもつながりやすい。
メッツや阪神がトップに立てなかった理由は、まさにそこにあると見る。北京五輪の野球日本代表にも似たことがいえるだろう。
来季まで戦う必要がないメッツには時間があるが、クライマックスシリーズを目前に控えた阪神に、気持ちを切り替える余裕があるかどうか。
「ウチは挑戦者」と口で言うのは簡単だ。
しかし、阪神ナインは「もう負けられない」という思いで戦ってしまうのではないか。その瞬間、確実に劣勢に立たされる。
勝ちたいのか、負けられないのか。
いつだって、それが勝負の分かれ目になる。




